公益財団法人 日本吟剣詩舞振興会

 日本吟剣詩舞振興会は、日本の伝統芸道である吟詠・剣舞・詩舞の向上振興と日本文化の高揚への寄与を目的とする財団法人として、日本船舶振興会(現・日本財団)の基本財産出捐により、昭和43年(1968年)10月に文部科学大臣の許可を受け、設立されました。法人設立にあたっては、全国の各流宗家や各団体の責任者から懇望されて笹川良一が初代会長に就任し、平成7年に第二代会長に笹川鎮江が就任しました。平成25年(2013年)4月には内閣府より認定を受けて、公益財団法人 日本吟剣詩舞振興会となりました。現在は菅原道雄が第五代会長を務めています。
 全国の吟剣詩舞に親しむ人たちの総本山として、北海道・東日本・中部・近畿・中国・四国・九州各地区の7地区連絡協議会及び都道府県単位の51の吟剣詩舞道総連盟(北海道は5地区に分割)の公認組織を持っています。
 
 吟剣詩舞の向上という基本姿勢については、初代会長笹川良一の「もともと吟剣詩舞は高い価値をもつ立派な伝統芸道だ。しかし、どんな立派な芸道でも大勢の人がこれは素晴らしいと感じるような魅力がなければ発展しない。そこで、まず今日の現代人の感覚に合うような魅力ある芸道に育てあげることだ。」という言葉に象徴されるように、全国の吟剣詩舞指導者に対し、芸の工夫と精進を呼びかけると同時に、指導者の規範としての吟剣詩舞道憲章の制定を行う一方、さまざまな事業を計画、実行してきました。
 
 現在の主な事業としては、
・指導者の育成を目的とする夏季吟道大学や剣詩舞道大学などの開催
・相互研鑚を目的とする吟詠と剣詩舞の各種コンクールの開催とコンクール審査規定の制定
・全国大会の実施
・吟詠のための統一教本としての吟剣詩舞道漢詩集の刊行
・月刊誌「吟剣詩舞」の発行
などを行っています。


吟剣詩舞道憲章

 詩歌は人の心の表現であり、すぐれた詩歌は人類文化の遺産である。われわれの先達は、この詩歌を吟じ、その吟により舞うことを考え、芸としての向上進歩を目ざして精進努力を重ね、吟詠・剣舞・詩舞というわが国独自の高雅な芸道を育てあげた。
 
 吟剣詩舞道は礼と節を、その心とする。詩歌に親しんで情操を高め、日本民族の心を探求しながら、自己の陶冶を志向するこの芸道こそ、わが国の精神文化の高揚に不可欠なものである。
 
 われわれは、この価値ある吟剣詩舞道を受け継いだことに大きな誇りをもつと同時に、各人の研鑽と相互の協力によって、ますます斯道を隆盛に導く責任を果たさなければならない。しかも、その実践は、この芸道の心、すなわち礼と節の上にたたなければならない。その軌範として、この憲章を制定する。
 
 昭和五十年一月十一日

公益財団法人 日本吟剣詩舞振興会
会長 笹川良一
ほか役員一同

一、基本姿勢
  吟剣詩舞道を行う者は、礼と節とを行動の軌範とし、日々、芸の研鑽と品性の陶冶に努める。
二、指導者の心構え
  吟剣詩舞道を指導する者は、みずから師たるにふさわしい人格、識見を備え、指導全般にあたっては権威をもって臨む。
三、師に対する心構え
  吟剣詩舞道を学ぶ者は師弟の礼節をわきまえ、秩序を堅持する。
四、分家・独立
  吟剣詩舞道を行う者が分家・独立をする場合は、その組織を代表する者の許しを得る。
五、他流との関係
  吟剣詩舞道を行う者は他流の名誉を傷つけ、秩序を乱すような言動は厳に慎む。
六、吟剣詩舞道の普及向上
  吟剣詩舞道を行う者は、大衆性と芸術性を併せもつ斯道の今日像を正しく伝え、特に青少年層における吟剣詩舞道の普及向上に努める。
七、吟剣詩舞道の目標と相互の協力
  吟剣詩舞を行う者は、相互に協調、互譲の精神をもって斯道の普及振興に協力し、本会の認める姉妹団体とも動物有機体的団結をもって、日本の伝統に基づく、国家社会の正しい発展に寄与する。